6月上旬、初めてニューヨークに9日間滞在しました。
昨年5月、ニューヨークからTORINOKIに来店してくださったお客様がいました。その方に今年の5月、商品を発送しました。
ずっとニューヨークは遠い存在だと思っていた自分にとって、鳥取で育った木が海を渡って、ニューヨークの誰かの暮らしの中に置かれるということは、なんだか不思議な出来事でした。
それをきっかけに一気に親近感が湧いて、直感的に「ニューヨークに行ってみよう」となりました。
旅はいつもこういう感じです。
9日間の滞在中は、いろんなお店、ギャラリー、美術館、公園など、足が棒になるくらい動き回りました。
その中でも、特に感銘を受けた場所のひとつが、The Noguchi Museumでした。
みなさんもご存知の「AKARI」で有名な彫刻家、イサム・ノグチ。
僕自身、以前に香川のイサム・ノグチ庭園美術館を訪れたり、TORINOKIでも大きなAKARIをディスプレイしていたり、自宅のリビングで使っていたりと、感覚的にもすごく好きなアーティストの一人でした。
実際にミュージアムを訪れて思ったのは、
この人は、とにかく自然や石、そして人が喜ぶことが好きな人だったんじゃないかな、ということ。
イサム・ノグチは、彫刻家でもあり、デザイナーでもあり、プロデューサーでもある。
展示されていた石彫の数々は、見たことのない石の種類はもちろん、大きな作品であってもどこか愛嬌があって、生き物と彫刻の間のような存在に感じました。
そして、お店をやっている僕自身が一番感動したのが、ミュージアムの最後にあるNoguchi Shopでした。
壮大な石の彫刻をたくさん見たあとに、ノグチが「光の彫刻」と呼んだAKARIが並んでいる。
その流れを体験すると、彫刻というものを美術館の中だけに置いておくのではなく、もっと多くの人に、暮らしの中で楽しんでもらいたかったんじゃないかな、と感じました。
ノグチが亡くなった今でも、作品が世界中の家で生き続け、誰かの暮らしをあたたかく灯している。
それって、すごいことだと思います。
そしてショップにはAKARIだけでなく、イサム・ノグチの思想とどこか親和性を感じる、世界各国の作家の作品がセレクトされていました。
これにもまた感動しました。
一切のブレを感じないショップ。
思想と商品が妥協なく、でも気持ちよく同居していて、作品を見た感動がそのまま「自分の家にも置いてみたい」という感覚につながっていく。
お店をやっている自分にとって、これはすごく大きなヒントになった気がします。
そして、そこで出会った一人のアーティストが、今TORINOKIでもセレクトさせてもらっている、イタリアのPaola Biancalanaです。
ニューヨークに来て、京都の自分の店に置きたいものと出会う。それもなんだか嬉しい経験でした。
今回ニューヨークに行って、あらためて思ったことがあります。
京都に店があるからといって、「京都らしく」って意識しすぎなくてもいいんじゃないか。
僕たちが本物だと思えるものづくりや、純粋に感動できるものとの出会いを、TORINOKIという店を通してもっと体現していきたい。
鳥取で何百年と育った木も、京都も、ニューヨークも、ファッションも、アートも、音楽も。
一見違うものでも、自分がいいと思う感覚でつないでいけばいい。
そうやって鳥取で育った木々をいろんなカルチャーとコネクトさせながら、「木のある暮らし」の可能性をもっと広げていきたい。
そんなことを考えたニューヨークの楽しいひとときでした。
訪れた際はぜひ行ってみてください。
ニューヨーク滞在期、また書いてみます。
山田